コラム

《箱の作り方》化粧箱の制作手順やサンプルについて解説

コラム

箱を作るポイントや手順についてご説明いたします。

箱の中に入れる商品をどのように包装するかがポイントで「内容物の保護」「取扱いの便利さ」「情報の提供」3つの機能をバランスよく持たせることが大切です。

箱に必要な3つの役割

内容物の保護

紙箱は輸送時の衝撃から商品を守り、光劣化などを防ぎます。商品を保護することが一番大切といえるでしょう。

デザインを優先するあまり、商品を保護する機能が損なわれないように注意しましょう。

取扱いの便利さ

紙箱には、「見分けやすい」「運びやすい」「使いやすい」「開けやすい」「置きやすい」「積みやすい」といった機能があります。

これは、商品を買ってくれる最終消費者だけではなく、「商品を箱に入れる販売元の作業者」「商品を輸送する運転手」「商品を陳列するお店の作業者」「レジでバージコードを読み取る店員」など、商品に関わる全ての関係者の利便性を考慮することを指しています。

商品が店頭に並んで、消費者の手に渡るまで、いかにスムーズに受け渡されるかイメージすることが大切です。

情報の提供

紙箱には、そのデザインによる販売促進効果があるほか、「品名」「用途」「識別」「内容物」「特徴」「期限」「量」「メーカー」「成分」「取扱いの注意」など法律に基づいた情報も提供します。

情報提供する項目が多岐に渡るため、デザイン性を考慮しつつ、法律に基づいた情報もバランスよく表記することが大切です。

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箱の材質と形状の選定

既存の商品と同様の仕様にする

箱を作る時に参考にするものは、お店などで販売されている商品の箱です。スーパーなどの小売店や、通信販売などで手に入る商品を参考にしましょう。

店頭などで購入できる商品は、「内容物の保護」「取扱いの便利さ」「情報の提供」3つの役割がバランスよく考慮されており、良いお手本です。ただし、箱のコストについては注意する必要があります。店頭に並ぶ商品は、1ロット10万枚など大量生産されているものが多いため、箱のコストもかなり抑えられています。

1ロット1,000枚で作るような場合ですと、箱単価が高くなりますので、材質や印刷仕様を変えるなど工夫が必要です。また、デザインを真似ることは著作権に違反する恐れがありますので、十分注意してください。

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予算から材質と形状を選ぶ

箱の予算の考え方

箱の予算は、資材費として計上するか、広告宣伝費として計上するかでとらえ方が変わります(予算の考え方であり、実際の会計処理は会社により異なります。)。

◎資材費の場合

資材費は商品原価に組み込まれるため、商品価格全体の35%くらいが目安となります。店頭価格が1,000円であれば、箱の単価は30円~50円くらいとなります。

◎広告宣伝費の場合

キャンペーン用の1回限りの箱などの場合は、広告宣伝費としてとらえられることもあります。ロットが500枚程度の少ない場合でも、「4色カラー印刷+PP貼り+箔押し」など、加工にお金をかけて、プレミアム感を出す場合もあります。


箱の単価は上記のように1,000円の上代であれば、予算が3050円。ロットが1,000枚だとしたら、箱にかけられる予算は、30,000円~50,000円となります。

オーダーメイドで製造する場合は、製版代と抜型代で大体50,000円以上はかかるため、残念ながら予算オーバーとなってしまいます。こうした場合は、既製品の箱を購入し、シールや包装紙で差別化を図るという方法もございます。

オーダーメイドの箱を作る場合は、1ロット3,000枚程度が一つの目安になります。

箱の材質をコスト重視で選ぶ場合

コストを優先したい場合、材質は「コート白ボール」を選択します。箱の材質として最も使用量が多く、安く仕上がります。厚さとサイズの種類が多いため、無駄になる材料が少ない点もコストを抑えられる理由の一つです。

予算に余裕があれば「片面コートカードB」「高級白板紙」などの用紙を選び、高級感を高めるのもよいでしょう。用紙のグレードが上がると、印刷仕上がりも良くなります。

箱の形状をコスト重視で選ぶ場合

形状でコストを抑えたい場合、安い順に並べると以下のようになります。

◎用途に関係なく安い順
1.キャラメル箱
2.地獄底
3.ワンタッチ底

◎平らなギフト箱の安い順
1.N式箱
2.ギフト箱(C式箱)

3.スリーブ+身箱

形状でコストを抑える方法は、箱の縦××高さのバランスなども影響しますので詳しい仕様についてはお気軽にご相談ください。

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箱のサンプルとは?

箱サンプルでサイズや強度、デザインなどを確認

箱の材質や形状、デザインなどが決まったら箱のサンプルを作ります。手順としては、本番と同じ材質で無地の箱サンプルを作り、サイズや強度を確認します。問題のないことが確認できたら、展開図データにデザインをレイアウトし、プリンターで出力したものでデザインをチェックします。

箱を作る工程は、商品開発において後回しにされることも多いのですが、デザインやサンプルの確認で1カ月程度はかかることも多いので、早めに準備することが大切です。

「サンプル=無料」「サンプル=すぐできる」というイメージがあるかもしれませんが、採寸や設計の手間がかかり、その分コストや作業日数も必要です。「色々なサンプルを見てみたい」という方は、当社オリジナルサンプルをご用意しておりますので、お気軽にお問合せください。

◎化粧箱屋のサンプルセットのご請求はこちら

無地箱サンプルの作り方

箱の材質と形状が決まったら、箱のサンプルを作ります。

箱のサンプルは、お客様が手作業で作成する場合と、パッケージ製作会社に依頼する場合の2パターンがあります。手作業で作成する場合は、時間もかかり精度も低くなりがちなため、パッケージ製造会社に任せることをおすすめします。

手作業で制作する場合

箱サンプルを手加工で作成する場合、まず用紙を取り寄せる必要があります。最近は以下のようなサイトで購入できますので、「自分で作ってみたい」という方はチャレンジしてみてください。

参考サイト:紙通販ダイゲン

用紙を準備できましたら、実寸通りの展開図を書きます。カットする線と折り目を入れる罫線が分かるように色分けしておくと間違えにくくなります。ポイントは罫線の入れ方ですが、カッターの刃をしまった先端で何度もなぞると、罫線が折れやすくなります。

なお、線は直角と並行をきちん書かないと、箱がゆがんでしまいますので、カッターマットを使うことをおすすめいたします。カットして、罫線をしっかりなぞったら、のりしろを両面テープで貼りつけて完成です。

パッケージ製造会社に依頼する場合

箱サンプルをパッケージ製作会社に依頼する場合は、中に入れる商品を送って、材質や形状を指定すれば、適切なサンプルを作成してくれます。CADで設計した図面データをサンプルカッター機(数百万円する機械です)でカットしますので、仕上がりもきれいで、サイズの精度も高いです。

印刷イメージもわかる箱サンプルの作り方

印刷された箱サンプルを作るには、以下の方法があります。

手作業で制作する場合(低コスト)

1.デザイン入りの展開図を家庭用プリンターで出力して組み立てる(コスト低)。
デザインを確認する程度であれば、お手持ちのカラープリンターで出力できるサイズに縮小し、組み立てる程度で問題ないでしょう。この方法は一番手軽で、プリンターさえあればどなたでも制作できます。

2.無地サンプル箱に1面ずつ印刷したプリントを貼り付ける(コスト低)。
箱の1面のサイズがA4程度(お手持ちのプリンターで出力できるサイズ)まででしたら、1面ずつ出力して無地サンプル箱に貼り付けるという方法でもいいでしょう。実際のサイズ感も含めた確認が可能です。

パッケージ製造会社に依頼する(中〜高コスト)

1.本機校正を行い、サンプルカッター(カッティングプロッター)や実際の抜型で加工したサンプル(高コスト)
サンプルとは言うものの本製造の工程で制作するため、製品と同じ仕上がりになります。こちらは、厳密な仕上がり確認を必要とする場合に行うことがほとんどです。印刷のみ、表面処理まで、など途中までで確認を行う場合もあります。

2.大判プリンター(インクジェット)の簡易校正を、箱サンプルと貼り合わせるサンプル(中〜高コスト)
3.POD(オンデマンド印刷機)の簡易校正を、サンプルカッターや抜型で加工したサンプル(中〜高コスト)
プレゼンなどで、『印刷内容がわかる高品質な見本』が必要な場合には、上記2〜3のようなサンプルが使用されます。サイズが大きい箱の場合は2のように大判プリンターを使用します。展開図がA3サイズ程度でPOD適正のある材質の場合、3の方法で直接板紙に印刷して制作します。

サンプルと言っても、お客様の要望により内容、制作方法、コストが変わりますのでご注意ください。

印刷方法や機材で異なる仕上がり。色見本の役割とは? 

色校正について

色校正は、デザインしたデータを出力して色がイメージに合っているか確認する工程です。上記でもご紹介のとおり、色校正の方法には以下の2種類があります。

本機校正:本製造と同じ印刷機を使用
簡易校正:インクジェットプリンターやPODを使用

デザイナーの方は、モニターやお手持ちのプリンターで色を確認することが多いのですが、本番の印刷と誤差が出るため、パッケージ製作会社のプリンターで出力して確認する作業が必要です。色がイメージと違う場合は、できるだけイメージに近い色がでるようにデータを調整します。

簡易校正で済ませることが多いですが、本番どおりの色を確認したい場合は、本機校正をおすすめします。

箱の製造

箱のサンプルと色校正を確認(校了)できたら、箱の製造に取りかかります。

校了後は注文書をいただき次第、用紙の手配や作業スケジュールの調整を行います。

用紙の入荷:13営業日程度
印刷:13営業日程度
表面処理、抜き、貼り、その他の加工:38営業日程度

製品は、上記の合計514営業日程度で出荷されます。

納期は、その時の工場の混み具合や、「化粧箱が無くて出荷できない」といった大至急対応が必要な場合など、ケースバイケースで調整可能ですので、お気軽にご相談いただければ幸いです。

ご注文の流れ

まとめ

箱の作り方について、大まかに説明してきました。

箱は「内容物の保護」「取扱いの便利さ」「情報の提供」3つの機能をバランスよく持たせることが大切です。

優先順位が高いものは「内容物の保護」で、これを疎かにすると商品や箱が破損することもあります。箱が破損してしまうと「取扱いの便利さ」や「情報の提供」にも不具合が発生しますので、内容物をきちんと保護してくれる箱を作ることを心がけると良いと思います。

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