制作と入稿

《化粧箱屋が推奨》化粧箱の特色の選び方

制作と入稿

 

「特色」とは「調色したオリジナルの色」

今回は、特色の選び方や指定方法についてご説明いたします。

『特色』とは、オフセット印刷のCMYK以外の「調色したオリジナルの色」のことを言います。化粧箱の特色選びや色指定は、これからご紹介するような印刷向けの見本帳(カラーガイド)を使って行います。見本帳は各色が小さく切り取れるようになっているため、入稿時に切り取った色見本(カラーチップ)を添付するのが一般的です。

また、見本帳には色ごとに固有の番号が付いているため、カラーチップのない場合に「カラーガイド名+番号」でも、希望の色を伝えることができます。(ただし、この方法は後述の注意点の理由から万全ではありません。)

 

代表的なカラーガイド

特色指定で用いられる代表的なカラーガイドと言えば「DICカラーガイド」と「PANTONE」でしょう。

以前は、特色印刷の色指定を「DIC指定」などと呼ぶこともあるほど、「DICカラーガイド」での色指定が多かったように思います。いつの頃からか「PANTONE」でのご指定が増え始め、今では「DICカラーガイド」と半々、または「PANTONE」の方がやや多いくらいの印象になりました。

DIC COLOR GUIDE(DICカラーガイド)

1967年より、DICグラフィックス株式会社が発行する代表的な見本帳。基本となる「DICカラーガイド(1~3巻)」と、それを補完する「DICカラーガイド PART2(4~6巻)」は、それぞれ3巻でワンセットになっています。色の由来の解説も付いた「日本の伝統色」「フランスの伝統色」「中国の伝統色」のシリーズは、ニュアンスのある色合いが多いためかデザイナーのお客様からの色指定で多く見受けられます。
DICグラフィックス(株)DICカラーガイド

DICカラーガイド1〜3巻とパート2の4〜6巻

DICカラーガイド 伝統色シリーズ

 

PANTONE(パントン)

アメリカのパントン社から発行されている見本帳。印刷・グラフィック向けソリッドカラーシリーズには「FORMULA GUIDE/フォーミュラガイド」「PASTELS &  NEONS/パステル&ネオン」「METALICS/メタリックカラー」の3種類があります。「フォーミュラガイド」と「パステル&ネオン」には、コート紙(coated)と上質紙(uncoated)の2タイプが用意されています。(写真2枚目)パントン社の名前は、毎年発表される“PANTONE Color of the year” の話題で耳にする方も多いのではないでしょうか。
PNTONE 日本語インフォメーションサイト

PANTONE FORMURA GUIDE

PANTONE Solid chips

 

TOYO COLOR FINDER(東洋カラーファインダー)

東洋インキ株式会社が発行する見本帳。蛍光色、パール、メタリックも含めた1,050色が収録されています。DICやPANTONEに比べてマイナーな印象ですが、Adobe Illustrator のカラーブックにも収録されているため、デザイナーの方ならご存知かと思います。見やすく美しい印象の見本帳だと感じておりますが、残念ながらこちらでご指定いただくことは非常に稀です。
東洋インキ 色見本帳シリーズ

東洋カラーファインダー

 

見本帳(カラーガイド)からの特色指定

特色の指定方法

特色の選び方は、見本帳の中からご希望の色を選ぶだけですが、必ずしも目指す色があるとは限りません。特に見本帳の指定がない場合は、『DIC 156よりもPANTONE 1788C の赤の方がイメージに合う』といった具合に、より希望の色味が載っている見本帳から選ぶとよいでしょう。

多色刷りの場合、『DICとPANTONEを混在させた特色指定』というケースもあります。対応は印刷会社によって異なるとは思いますが、当社に限って言えば、見本帳やカラーチップを元にインキを調色するため、使用する見本帳を統一させる必要はありません。

注意点

特色の指示をいただく際に、「DICの000番」「PANTONEの0000C」など「カラーガイド名+番号」のみでご指定いただき、カラーチップの添付がないケースがあります。版数の違いや経年劣化などで、お客様と当社の見本帳の色味が違っている場合もございますので、カラーチップは必ず送っていただけるようお願いしています。

また、データ上でのご指定のみで見本帳を所有していないという場合は、お申し付けください。当社からカラーチップをお送りしてご確認いただいています。

特色指定で見本帳を使用する理由

『色の管理』という点で、見本帳から指定をしていただく方が、トラブルが少ないと考えています。『見本として作成されたカラーガイド(見本帳)』からの指定ならば「色味がちょっと違う?」と感じたら、すぐに確認・修正することができるからです。

例えば、「某メーカーのチョコレートの赤」「某ブランドの青」というような、見本帳ではない印刷物からの色指定もお受けしています。ですが、以下のような可能性から積極的におすすめはしていません。

◎見本にした商品事態のロットによる誤差が生じる可能性。
◎リニューアルによって色が変わるなど、見本として使用できなくなる可能性。
◎流通量が少ない、廃番になったなどで、入手が困難である可能性。

「某メーカーの〜」「某ブランドの〜」などという場合こそ、現物ではなく見本帳からイメージに近い色をご指定いただくと間違いないとも言えます。

特色印刷のポイント

特色印刷では、2回目、3回目と印刷していくうちに、色味が微妙に変わってしまう場合があります。「特色=調色したオリジナルの色」は、その時の「インキの製造ロット」「用紙の製造ロット」の影響を受けるため、同じレシピで調色しても微妙に誤差が出るためです。

もちろん私たちも常に同じ色になるよう調整を重ねますが、残念ながら差が出てしまうのも事実です。そうした場合に備え、以下のような許容範囲を設けておくことをおすすめしています。

◎指定色を濃度違いで印刷→「ここまでOK」「ここからNG」といった範囲を決めておく
◎カラーガイドの指定色を基準に「XXX番寄りはNG」「YYY番寄りならOK」などと決めておく

実は、市販の見本帳でもロットによる若干の差が出る場合もあり、こうした取り決めはとても大切なことです。最近ではお客様のご理解もあり、色の誤差について「許容範囲を決めましょう」と言ってくださることも増えてきました。

許容範囲が狭すぎると、製品の不良率やコストも上がってしまいます。結果、お客様にとってもデメリットになる場合がありますので、こうした打ち合わせをさせていただけるのは、当社にとっても大変ありがたいことです。

当社が所有している見本帳(カラーガイド)

当社で現在所有している見本帳は以下の通りです。
記載のないものでも、カラーチップをお送りいただければ対応いたします。
不明な点がございましたら、気軽にご相談ください。

◎DICカラーガイド(1〜3)
◎DICカラーガイド PART2(4〜6)
◎DICカラーガイド 日本の伝統色
◎DICカラーガイド 中国の伝統色
◎DICカラーガイド フランスの伝統色

◎PANTONE ソリッドカラー
◎PANTONE パステル&ネオン

◎TOYO COLOR FINDER

 

投稿者:駒形 和彦

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