制作と入稿

ライナ・中芯・段の種類とは?ダンボールの材質とサイズ選び

制作と入稿

ダンボール箱の材質と、選び方、サイズ設定の注意点を解説。

ダンボール箱と言えば、材質は「茶色」をイメージされる方が多いと思います。

実際はそれだけでなく、白色やカラフルなものもあれば、撥水加工を施すなど機能を持たせたものもあります。

紙には、斤量という紙の重量を表す単位「g」がありますが、ダンボールシートの材質も同様です。「gが大きい=厚い紙」のため、ダンボールでは箱の強度が必要な場合ほどg数が大きくなります。反対に強度を必要としない場合、g数は小さくなります。

「段」と呼ばれるダンボールシートの高さ(厚み)にも種類があり、箱の用途に応じて最適な「段」を選びます。

これらの材質を組み合わせて最適なダンボール箱が作られます。

ダンボールの材質について

ダンボールの材質には様々な種類があります。ダンボールは3枚の紙で構成されており、ライナと呼ばれる「表面の紙」と「裏面の紙」、中芯と呼ばれる「波状の紙」の3層構造となっています。

ダンボールの断面は、三角形が並んでいる構造になっており、その空間がクッション性や保温性などの役割を果たしています。

 

ダンボールの各部分の名称   
箱の外側は表ライナー、箱の内側は裏ライナー、間の部分は中芯


うんちく①:ライナとは?

ライナは、英語で「liner」と書きます。「内張り材」「洋服の裏地」「線を引く道具」という意味ですが、「ダンボールの表裏に用いられる板紙」という意味でも使用されます。

ライナは、1㎡あたりの重量が重くなるほど強度と価格が上がります。
K5以上は、バージンパルプの配合率も高まるため、紙の表面もやや滑らかになります。

ライナの種類

1㎡あたりの重量(目安)

D4

120g

C5

160g

K5

170~180g

K6

210g

K7

280g

◎メーカーによって異なります。

 

ダンボールの材質の選び方と基準

材質の選び方は、前述の「ライナ」「中芯」に加え、「段の種類」の3種類の組み合わせを検討するのが一般的です。

「ライナ」と「中芯」は、g(グラム)数で表記され、重くなるほど厚みがあり、強度も上がります。

「段の種類」は、AF(5mm)、BF(3mm)などの種類があり、箱のサイズが大きくなるほど厚い(高さのある)段を選びます。

材質選びの基準は、箱の中に入れる商品によって変わります。以下、目安を表にしてご紹介します。

商品や箱のサイズ

段の種類(高さmm)

表ライナ(重さg/m2)

中芯

裏ライナ

価格目安

米菓など軽くてかさばるもの

AF(5mm)

C5(160~180g/m2)

120g

C5

50100円程度

お米など重いもの(10〜20kg

AF(5mm)

K5(170~180g/m2)

強化180g

K5

100200円程度

30cm角以下の箱

BF(3mm)

K5(170~180g/m2)

120g

K5

50100円程度

工具など金属製品で重いもの

WF(8mm)

K5(170~180g/m2)

120g

K5

150250円程度

マグカップなどの個装箱

EF(1.8mm)

C5(160~180g/m2)

120g

C5

50100円程度

価格目安は、20233月の材料費や市場価格を考慮したおおよそのものです。◎高さや厚さはおおよその数値です。


うんちく②:ダンボールの『段』の種類とは?

ダンボール中芯の波状部分を構成する『段』を『フルート』といい、「AF(Aフルート/A段)」「BF(Bフルート/B段)」「EF(Eフルート/E段)」のように表現されます。箱の大きさにより段の高さを選択します。それぞれの仕様は下の表を参照してください。

《AF》外装用としての利用頻度が高く、20kg程度の重量に耐えられる。お米を送る箱などでも使用されている。
《BF》宅配の60サイズ程度に最適。軽くて小さい商品の輸送に適している。
《CF》AFと同等の強度を持ちながら、シートが1㎜程薄い。在庫保管の省スペース化に役立つ。
《EF》《FF》《GF》主に商品の個装用として使用。軽くて小さい商品に向いている。
《WF》AFよりも強度が高く、特に大きくて重い商品(金属製の工具や部品など)で使用されている。

段の種類

厚さ

段の数/30cm

段の高さ

段繰率※

主な用途

A段(AF)

約5mm

34±2

4.76㎜

1.58

外装用

B段(BF)

約3mm

50±2

2.38㎜

1.38

外装用・内装用

C段(CF)

約4mm

42±2

3.57㎜

1.45

外装用

E段(EF)

約1.5mm

93±2

1.1~1.4㎜

1.27

個装用・内装用

F段(FF)

約1mm

約125

0.75㎜

1.22

個装用・内装用

G段(GF)

約0.9mm

約167

約0.5㎜

1.21

個装用・内装用

W段(WF)

約8mm

AFとBFの合計

AFとBFの合計

AFとBFから算出

外装用

◎メーカーにより異なります。※一定の長さのライナに対する、中芯原紙の使用率。表の数値は基準仕様の場合です。

 

箱の中に入れる商品によっても、材質は変わります。

例えば、米菓などの袋の個包装を入れる場合、ダンボール箱にスキマができます。スキマができると箱がつぶれやすくなるため、g数の重いライナや中芯を選ぶことになります。反対に、箱のスキマが少ない場合は、強度が上がるため、材質を落とすことも可能です。

 

箱の中身によっても材質を検討が必要

 

サイズや強度はサンプルを作って確認

材質を決める時には、まずサンプルを作り、中身を入れてサイズと強度を確認します。

できれば製造時と同じ材質が望ましいですが、ダンボール会社も全ての材質を用意しているわけではありませんので、本番より1ランク下の材質でも問題ありません。反対に、1ランク上の材質でサンプルを作ると、問題が発生しやすくなりますのでご注意ください。

《サイズの確認》
商品用のカートンなどの場合、入り数によっても変わりますので、実際に商品を入れて確認しましょう。サイズがピッタリすぎると、取り出す時に個包装を傷める原因になるため注意してください。『指が1本入るくらいのスキマ』を作ることが一つの目安です。

《強度の確認》
サンプルのチェックポイントとしては、実際に持ってみることも大切です。持ち上げた時に『重すぎる』『箱がゆがむ』『凹みができる』など感じたら、サイズや材質を見直してみましょう。

《重さについて》
お客様より「重いダンボール箱は持てない」と言われることもありますので、当社では『商品を入れた総重量が10~15kg程度を目安にするとよいようです。

 

まとめ

ダンボール箱の材質の選び方は、実際に使用したことのある材質を基準に選定します。

「必要圧縮強さ=最下段荷重×強度安全率」を計算して選ぶことも可能ですが、パレットに多数積み込む場合以外は、細かく計算することはありません。少々乱暴なようですが、計算通りにいくとは限りませんので、実績のある材質を選ぶ方が効率的です。

また、実際にお客様とお話しすると、「輸送経路によって破損が増える」「特定の送り先だけ不具合が出る」などの不確定な要因も多く、だからこそ実績をもとにした材質選びが重要であると考えています。

 

※参考文献
◎『段ボールハンドブック』(全国段ボール工業組合連合会 2007年11月10日 発行)
◎五十嵐精一 著『改訂版 段ボール包装技術 実務編』(日報出版 2012年2月27日 発行)
◎レンゴー株式会社 編著『今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい 段ボールの本』(日刊工業新聞社 2021年4月5日 発行)

 

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