制作と入稿

「組立式ギフト箱」と「貼箱」の違いとは?

制作と入稿

お客様から「ギフト箱を作りたい」とのお問い合わせをよくいただきます。
ギフト箱とは身箱とフタが分かれている形状のことを指し、「C式箱」や「身フタ式箱」とも呼ばれています。フタを開けた時に商品全体が目に入ることから、贈答品用などの箱で人気のある形状です。

「ギフト箱」には「組立式ギフト箱」と「貼箱」の2種類があることをご存じですか?
「ギフト箱なら全て同じ種類ではないの?」と疑問に感じられる方もいらっしゃると思いますが、「組立式ギフト箱」と「貼箱」では製造工程や設備が異なるため価格や仕上がりに差が生じます。

「ギフト箱を製造したい」とお問い合わせをいただき、「組立式ギフト箱」を想定して進めていてもヒアリングをしていくうちにご希望は貼箱だったということもあります。

そこで今回は、「組立式ギフト箱」と「貼箱」の違いやそれぞれの特徴を紹介します。

「組立式ギフト箱」と「貼箱」の違いとは?

材質

まず、「組立式ギフト箱」と「貼箱」では製造するための材質から異なります。「組立式ギフト箱」は1種類の紙で製造され、「貼箱」は芯材と化粧紙という2種類の紙を貼り合わせて製造します。

芯材:箱の芯となる部分。一般的に厚紙(ボール紙)を使用することが多い。厚くなるほど強度は強くなりますが価格は高くなります。

化粧紙:芯材を包む上紙。印刷した薄紙やファンシーペーパーと呼ばれる通常の印刷用紙とは違った手触りや風合いのある紙を使用します。

使用シーン

贈答用のギフト商品に使用されることの多い形状ですが、使用する内容物によって「組立式ギフト箱」と「貼箱」が使い分けられていることが多いです。「組立式ギフト箱」はタオルやお菓子の詰め合わせの箱に使用されることが多く、「貼箱」は腕時計や財布などの高級品に使用されることが多いです。

組立式ギフト箱とは?

特徴

ここからは、「組立式ギフト箱」についてより詳しく紹介していきます。
特徴は身箱とフタで材質を変えられることです。「印刷したコート白ボールのフタ」と「ダンボール素材の身箱」を組み合わせれば、「印刷で装飾したフタ」と「ダンボール素材で丈夫な身箱」という、見栄えと強度を両立させた箱にすることもできます。

「組立式ギフト箱」を設計する際のポイントは、フタを持った時に身箱がゆっくり落ちてくるサイズ感に調整することです。緩すぎず、きつすぎずの設計が難しいですが、当社では設計担当がサンプルを作成してテストを行いながらピッタリなサイズでの設計提案を行っています。
身箱の縁は「額縁あり」と「額縁なし」の2種類から選択が可能です。「額縁なし」はシンプルな仕上がりや組立の簡略化をご希望の場合、「額縁あり」は高級感を出したい場合にオススメです。

「組立式ギフト箱」では、組み立てやすくするために糊付け加工をする場合があります。当社では、この加工を「両サイド貼り」と呼んでおり、糊付け加工をすることで組立工程の簡略化ができます。こちらは主にフタに行うことが多い加工です。

身箱とフタの2パーツに分かれるため、キャラメル箱やN式箱と比較すると価格は高くなり、高級感のある贈答品にふさわしい箱になります。

当社HP「箱の形状」ページにて、より詳しく「組立式ギフト箱」「両サイド貼り」をご紹介していますので合わせてご覧ください。

 

ギフト箱(身フタ式/C式)

額縁付き両サイド貼り箱

製造工程

・「組立式ギフト箱」
① 加工できるサイズに紙を断裁
② 印刷
③ 抜き加工
④ 貼り加工(箱の仕様に応じて必要ない場合もあります)

 

製造設備

印刷後、「トムソン型」という抜型を使用して、箱の形に打ち抜きが必要です。使用する加工機は、断裁機・印刷機・オートン(抜き)・サックマシン(貼り)。
社内で製版作業も行っているため、印刷時の色味の違いや刷版の傷による汚れなどにもすぐに修正が可能です。

特殊な形状や小さい箱、大きい箱はサックマシンで貼り合わせができない場合があります。その場合は、手作業で1枚ずつ貼り合わせを行います。

上記で紹介しました「トムソン型」については、別記事「トムソン型とは?」にて解説しておりますのでこちらもご覧ください。

トムソン型とは?化粧箱の「抜き」の種類や特徴などの解説

納品形態

名前に組立式と入っているように、納品後に組立作業が必要です。組立作業が手間になるデメリットもありますが、平らな状態で納品されるため保管スペースが少なくてすみます。
また、組立作業をする時間がないお客様や手間と感じられるお客様のために、当社で組立後に完成した状態で納品することも可能です。

初めてギフト箱の注文をされる方の中で「組み立て方がわからない」とお問い合わせをいただくことがあります。当社のYouTube公式チャンネル「化粧箱屋ドットコム」に組み立て方の紹介動画を公開しましたので、どうぞご参照ください。より複雑なオーダーメイド設計の場合、組み立て方を、Zoomなどオンラインでご説明することも可能です。お気軽にお問い合わせくだい。

貼箱とは?

特徴

続いて、「貼箱」についてもより詳しく紹介していきます。
貼箱も組立式同様に、身箱とフタで見た目を変えて製造することができます。例えば、「印刷した化粧紙を貼り合わせたフタ」+「黒のファンシーペーパーを貼り合わせた身箱」のように化粧紙の色や材質を自由に組み合わせることでバリエーションが広がります。

ここまでは、身とフタが分かれるタイプの「貼箱」をご紹介してきましたが、実は「貼箱」にも複数の形状があります。その中からよく見かけるタイプを何点か紹介します。

・かぶせ式:ここまで紹介してきた身箱とフタが分かれる形状。

貼箱イメージ 黄色・青・赤貼箱イメージ 赤 ふたを開けた様子

・インロウ式:身箱とフタが分かれるタイプ。身箱の内側にさらに小さいサイズの身箱を入れる形状。内側の身箱だけ色を変えることも可能。

貼箱 印籠式 貼箱 印籠式 ふたを開けた様子 

・背貼り式:インロウ式のフタと外側の身箱の一片を貼り合わせて一体型にした形状。腕時計やジュエリー用の箱によく使用される。

貼箱 背張り式 貼箱 背張り式 ふたを開けた様子

・引き出し式:三方背ケースに取手をつけた身箱が収納されている形状。身箱の取手部分はリボンや金属などをご希望に合わせて選択可能。

・ブック式:名前の通り、本のような形状。箱の開閉がしやすく人気。

身箱とフタが分かれるかぶせ式だけでなく、用途やご希望に応じて適正な形状を提案しています。

製造工程

① 加工できるサイズに芯材、化粧紙を断裁
② 化粧紙に印刷
③ 芯材の折る部分に罫線を入れ、四隅をカットする(抜型を使用する場合もあります)
④ 化粧紙の四隅を切り落とす(印刷がある場合など、仕様によって抜型を使用して抜き加工をする)
⑤ 芯材の四隅を立ち上げてテープで固定
⑥ 芯材を化粧紙で包み、接着剤を使用して貼り加工

製造設備

印刷後に芯材・化粧紙の加工、貼り合わせが必要です。使用する加工機は、断裁機・印刷機・コーナーマシン(自動罫線機)・貼箱機・テープ貼り機・糊付け機。ご希望のサイズや、ロット数に応じて全自動・半自動・手動貼箱機を選択して加工します。

ロット数が少なく半自動もしくは手動貼箱機を使用して加工する場合、化粧紙と芯材は手作業で貼り合わせを行います。少しでもずれてしまうと完成時にしわが寄ってしまうため、細心の注意を払いながらの作業が必要です。

印刷をした化粧紙や特殊な形状(六角形)などの場合は、見当合わせが難しいため全て手作業で貼り合わせを行うこともあります。

納品形態

「貼箱」は、基本的に折り畳めない形状のため、箱の形に完成した状態で納品となります。(折り畳みが可能な形状の貼箱もあります。)組立式ギフト箱と比較すると、かさばるため納品時のカートン数は多くなります。

例えば、日本酒720mlを梱包する箱を「組立式ギフト箱」と「貼箱」で500組ずつ作成した場合、以下のようなカートン数の違いが出ます。

・「組立式ギフト箱」:平らな状態で梱包(身箱とフタは別梱包・身箱はEF合紙、フタは板紙)
身箱は1カートン100枚梱包で5箱。
フタは1カートン250枚梱包で2箱。
合計7箱となります。
・「貼箱」:完成形で梱包(身箱とフタは一緒に梱包)
1カートン10個梱包で合計50箱となります。

完成サイズが同じ箱でも43箱の差が出ます。保管スペースに余裕がない場合は、製造ロット数を減らすか新たに保管スペースを確保する必要があります。

※上記の設定は目安の梱包数であり、実際には、サイズや材質によって変動します。

当社のYouTube公式チャンネル「化粧箱屋ドットコム」にて3分弱の動画で「貼箱の作り方」をまとめています。ぜひご覧ください。

 

ギフト箱で困ったことがあれば「化粧箱屋ドットコム」にお任せください!

贈答用の化粧箱の形状には、「組立式ギフト箱」や「貼箱」が多く使用されています。ギフト箱を検討される際は、内容物の販売価格やコンセプト、必要ロットに応じて形状や材質を選択することがポイントです。

ここまで、「組立式ギフト箱」と「貼箱」について紹介してきました。「化粧箱屋ドットコム」では用途や予算に応じた適正な仕様で化粧箱を提案しています。もちろん、今回紹介した形状以外の提案も可能ですのでギフト箱で困ったことがあればご相談ください。

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