制作と入稿

化粧箱へのバーコード印刷 サイズや色、印刷方式の解説と注意点

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化粧箱へのバーコード印刷

バーコードとは

バーコードとは、縞模様の線の太さによって数値や文字を表す識別子の一種で、縞模様と数字で表示されます。この数字は、JANコード(標準タイプ13桁)の場合、最初の2桁が国番号(日本の番号は49または45)、GS1事業者コード、商品アイテムコード、最後の1桁がチェックデジット(誤り検出用の数字)です。こうしたバーコードのことを一次元シンボルと呼びます。これに対し、QRコードは、二次元シンボルと呼ばれており、小さな面積で多くの情報を表示できるため、「電子決済」「webサイトへの誘導」「チケットの発券」などに使用されます。

 

JANコード」と「JANシンボル」の違い

JANコード

JANコードという呼称は、日本国内でのみ通用する呼称です。現在、国際的には、13桁のものを「GTIN-13JANコード標準タイプ)」、8桁のものを「GTIN-8JANコード短縮タイプ)」と呼んでいます。

JANシンボル

JANシンボルは、国際的な商品識別コードであるJANコード(GTIN-13GTIN-8)を表現するためのシンボルです。

バーコードの下に表示されている数字を「JANコード」。バーコードと数字がセットに表示されているものを「JANシンボル」と呼びます。以下、こちらのコラムでは「JANシンボル」に統一して説明します。

※「GTIN-13」「GTIN-8」ともに、GS1事業者コードの登録申請が必要で、所定の申請料を納めることで貸与され、利用が可能になります。GS1 事業者コードは、国際的な流通標準化推進機関であるGS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)が管理しています。

バーコードの構成の解説

【2023.06.15更新】JANコードのチェックデジットの計算は、GS1 Japan 「GTIN(JANコード)の作成手順」 で入力すると算出できます。

JANシンボルの作成は、パッケージを印刷する会社に依頼するか、各種バーコード印刷ソフトやサイトなどを使用します。(チェックデジットの自動計算と同時にJANシンボルを作成できることが多いようです。)作成したJANシンボルは、JIS 規格(規格番号X0507)に定められているサイズ・品質に適合している必要があります。次章以降もご覧ください。

 

化粧箱で使用されるJANシンボル(バーコード)の種類

化粧箱では主に「JANシンボル」と「GS1 QRコード」が使用されます。お客様からJANシンボルのデータを支給されることが多いです。JANコードの情報を教えていただければ、当社にて作成いたします。(画像のJANシンボルでご入稿された場合は、より鮮明な印刷結果を得るため画像から図形のJANシンボルに差し替えております。)JANシンボルは印刷に進む前に、バーコードリーダーで読み取り、リーダーに表示される読み取り結果と数字が一致しているかをチェック。製品が複数ある場合、JANシンボルが重複していないかも合わせて確認しています。
※当社のチェックで使用しているリーダーで読み取れても、すべての販売店においての読取りを保証するものではございません。

 

 

JANシンボルのサイズ

JANシンボルのサイズは余白を含めて「長さ37.29ミリ」「高さ25.93ミリ」とJIS規格(規格番号X0507)にて定められています。この基本寸法の0.8倍~2倍まで縮小と拡大を行うことができますが、海外に輸出する商品においては、JIS規格通りで印刷しなければなりません。

バーコード JANシンボル 基本の印刷サイズ

 

JANシンボルの余白(クワイエットゾーン)

JANシンボルは、白と黒の縞模様が注目されますが、余白(クワイエットゾーン)が忘れられがちです。余白がないと、シンボルの始まりと終わりを読み取り機器が正しく検知できなくなるリスクが高まります。JANシンボルの左右とも、必要な余白は必ず確保しましょう。

 

JANシンボルのトランケーション

JANシンボルの「トランケーション」とは、JANシンボルのバーの高さを削ることです。チューイングガムなどの小さい製品で表示するスペースが限られている場合や、後述する特定の印刷素材や印刷方式のためJANシンボルの縮小ができないといった場合に、トランケーションを行うことがあります。ですが、トランケーションは日本国内限定で認められた方法です。輸出する商品では正規の高さにしてください。

バーコードのトランケーション

 

JANシンボルの色

化粧箱にJANシンボルを印刷する場合、白地に「黒」「濃紺」「深緑」などを推奨しています。特に、赤系統の色は読み取りできない恐れがありますので避けてください。JANシンボルのスキャン時には赤い光を照射します。赤い照射光の下では赤い色は白く見えてしまうため、JANシンボルに赤や茶色系統の色を使用すると認識できず読み取れません。白地に黒のような、バーとスペースのコントラストができる限り大きくなる配色が推奨されています。

【2023.06.13更新】動画で、白黒以外のバーコード全21色の読取りテストを収録しました。

動画では撮影条件のせいか読取り不可とされる赤系統の色も読取りできていますが、別室での事前テストでは読みとれなかったりと結果は不安定でした。やはり推奨されている白と黒などコントラストのはっきりした組み合わせが適しているようです。※動画内のハンディスキャナで読み取れても、印刷する紙の色や照明、機器などの諸条件により、すべての機種にて読取りを保証するものではございませんのでご注意ください。

 

印刷方式別 JANシンボルの特徴

オフセット印刷のJANシンボル

オフセット印刷におけるJANシンボルは、きれいに印刷されるため問題ありません。色やサイズは標準タイプがお勧めですが、0.8倍に縮小したり、トランケーションをしても正確に読み取ることができます。

化粧箱のバーコード オフセット印刷の刷版と印刷結果 

左が刷版、右が印刷結果(JANシンボルは見本)

 

シール印刷のJANシンボル

シール印刷は凸版を使うため、マージナル(線の太り)が発生することがあります。標準タイプの大きさであれば問題ありませんが、0.8倍など縮小する場合は、テストをした方が無難です。

シール印刷のバーコードと版

シール印刷のバーコードと樹脂版。(左手前のネガフィルムをもとに、左奥の樹脂板を作成し印刷)

 

段ボール印刷のJANシンボル

段ボール印刷ではフレキソ版を使うため、マージナル(線の太り)が発生することがあります。段ボールのJANシンボル印刷では、その素材の特徴によりざらつきも出やすいため、1.5倍ほどに拡大して印刷します。また、鮮明に印刷できるようにJANシンボルの周囲に黒縁(ベアラバー)をつけます。黒縁をつける事で、インキが均等に出やすくなり、きれいに印刷することが可能になります。

【2023.06.15更新】段ボールへの印刷最少文字サイズは9ポイント、最小ITFサイズは35%、JANシンボルは150%で、上下方向に約25mmまで縮められます。

ダンボール箱のバーコードと印版

ダンボール箱のJANシンボル(見本)と印版(樹脂版)

ダンボール箱のQRコードと印版

ダンボール箱のQRコードと印版(樹脂版)

ダンボール箱のJANコードとQRコードの印版

ダンボール箱のJANシンボルとQRコード 部分の印版拡大(樹脂版)

 

引用参照元

GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター) https://www.gs1jp.org/

JANシンボルマーキングマニュアル  JANシンボルの構成・サイズや配色などの説明、読み取りエラーの例は写真つきで多数あり。JANシンボル表示の留意点を解説。

初めてのバーコードガイド 商品識別コードGTIN(JANコード)の解説と作成方法、申請方法・諸手続き、登録料、規約。

※図解は上記資料を参考に作成しました。

 

2024/04/17更新

制作と入稿コラム《失敗しない入稿データ》バーコードやQRコードの落とし穴では、パッケージデザインの入稿データ作成時に気をつけたいバーコード、QRコードの色設定について解説。併せてご覧ください。

《失敗しない入稿データ》バーコードやQRコードの落とし穴

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